音次郎の最期の言葉で、格さんはおもんが弟ではなく夫を探していることと、その夫が生きてることを知る。隠密同士の夫婦は、人並みの幸せをつかむことはできないと知りながらも夫を探すおもんの女心を知り、格さんはおもんに隠密から足を洗い、幸せをつかんで欲しいと願うのだった。老公も自らの身分を明かし、夫を訪ねるようおもんに勧め、おもんは夫が暮らす村へと向かった。しかしそこで目にしたのは、夫が人並みの家族のように妻と子供と仲むつまじく暮らしている姿だった。おもんはその場を立ち去り、泣き崩れ、自らの思いを断ち切ったのだった。