水戸老公(里見浩太朗)一行は群上八幡の領内に入る関所で、役人に不当な税金を取り立てられ、不審に思った。その後一行は、年貢を激しく取り上げられ日々の食べ物にさえ困っている貧しい百姓や、役人に不当に税金を取り立てられている町人の姿を目の当たりにした。
一方、老公は正義感の強い、勘定方の侍・原田吉之助(宮下裕治)に出会った。吉之助は農民出身だが、養父の原田武平(樋浦勉)は吉之助の人柄にほれこんで養子にし家督を継がせることにしたという。 しかし、吉之助は城内では上役や同僚から、「にわか侍」と呼ばれてさげすまれ、辛い思いを重ねていたが、それにくじけず、鍛練と学問を怠らない吉之助に老公は好意を抱いくのだった。
藩では、病に伏している城代家老の目を盗み、藩政をあずかる月番家老の西脇刑部(立川三貴)が両替屋の鳴海屋(河西健司)と手を結び、税を操作して私腹を肥やし人々を苦しめていた。 弥七(内藤剛志)は農民たちが一揆を考えるほど追い詰められていると老公に報告する。一揆を起せば、多くの人が命をおとし、人々の暮らしはさらに苦しくなる。吉之助もその危機を察知し、農民たちに思いとどまるよう説得したが農民は聞き入れようとしなかった。そこへ老公と志保(小沢真珠)があらわれ説得し、その場はどうにかおさまるのだった。
その頃、城代家老の病が回復に向かっている事が分かると、悪事が露見することを恐れた西脇は、人の良い武平に全ての罪を負わせ、自分たちは逃げおおせるよう画策した。濡れ衣を着せられた武平は、自らの潔白を証明するため切腹しようとするが、吉之助が必死の思いで止めるのだった。
武平の汚名を晴らすため、また苦しむ農民を救うため、吉之助は立ち上がった。老公一行も力をかし、西脇たちの悪事をはらすのだった。そして老公のすすめで、吉之助は城代家老に仕えることになった。元の暮らしを取り戻した農民たちは、群上おどりで老公一行を見送ったのだった。