大杉と儀十の出会いは五年前にさかのぼる。毒蛇に咬まれて死にかけていた儀十の命を偶然通りかかった大杉が救ったのだ。その時生まれて初めて人の情けに触れ、儀十は真人間になろうと考えていたのである。儀十は茶碗を大杉に返そうとするが、文治とその手下たち、そして茶碗を裏で売買して儲けようと企む、廻船問屋・春木屋(二瓶鮫一)と郡奉行の吾妻佑京(杜澤たいぶん)が茶碗を取り戻そうと、儀十を追い詰めた。風車の弥七(内藤剛志)が駆け付けるが間一髪間に合わず、吾妻の配下・細田又四郎(篠塚勝)は儀十に深手を負わせ、茶碗を手中に納めた。