水戸老公(里見浩太朗)一行は飯田へ。老公は各地からの品々が行き来する流通の要、問屋場で不正が行なわれ、人々が苦しんでいることを知る。以前は殿様にも信頼の厚い女将・お鷹(田辺ひとみ)が問屋場を仕切っていたのだが、お鷹は数カ月前突然、いわれなき罪によって奉行所に捕らえられ、城代家老・丸岡軍兵衛(石山輝夫)の息のかかった物産問屋・扇屋(深沢敦)が問屋場の差配をするようになっていた。丸岡はお鷹を失脚させて扇屋の便宜を計り、扇屋に金を出させて妾の室町太夫(園英子)を囲っていたのである。
そのため荷物の運搬を請け負う、利助(坂上忍)たちは一気に給金が下がり、生活が苦しくなった。利助の女房・お朝(渡辺梓)は、二人の子どもを抱え困り果てていた。にも関わらず、お朝の忠告に耳を貸さず、利助が酒を飲んで金を使ってしまうので、お朝はついに家を飛び出し、尼寺に身を寄せる。
亭主がだらしがないのは、どの家庭でも同じだった。お朝が利助を見限ったと知って、お朝と同じようにだめ亭主に業を煮やしていた女房たちが、尼寺に集まってきた。男たちには頼らない、自分たちの手でお鷹を取りかえし、もとの暮しに戻そうと女房たちが決起する。志保(小沢真珠)も行動を共にして、女たちの行方を見守った。
女房たちは大挙して奉行所に押し掛け、抗議の気勢を上げる。さらにお鷹を救い出すために、室町太夫を人質に取った。室町太夫は丸岡に金の力で無理やり連れてこられており、自分を逃がしてくれる代わりに女房たちに協力するという。室町太夫の協力もあって、女房たちは無事にお鷹を救い出すことができたのだった。しかし役人たちもただではおかないと女房たちを追いかける。
利助は役人に連れ去られそうになったお朝を助けようと勇気を出すのだが、役人に斬りつけられ倒れてしまい、お朝は捕らえられてしまう。捕らえられた女房たちのもとにご老公一行が現れ、丸岡たちの悪事を暴いた。亡くなったはずの利助も実は生きており、お朝とも無事に仲直りしたのだった。