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水戸老公(里見浩太朗)一行は駿府へ。一行は将軍家から拝領した棗を家宝として大切に蔵に保管しているという、老舗の茶問屋主人・柿島屋儀兵衛(寺田農)と出会う。儀兵衛の一人娘・おしの(国分佐智子)は五年前、店の使用人・勘六(松尾諭)と駆け落ちして行方が分からなくなっていたが、儀兵衛が大病を患ったと聞き、勘六と二人で戻ってきたのだった。
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病は癒えた儀兵衛だが、実は番頭の与之助(水野純一)とおしのを夫婦にして店を継がせたいと期待していたので、それを裏切ったおしのと勘六は、勘当したも同然で、二人の侘びを聞こうともしない。一方、与之助はおしのと勘六に店を継いで欲しいと考え、儀兵衛との仲を取り持つが、儀兵衛は頑として聞き入れようとしない。どう見ても与之助より劣る勘六をなぜおしのが夫に選んだのか、儀兵衛はおしのの心情が分からず、不思議でならなかった。
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駿府では町奉行の神田外記(浜田晃)が茶問屋の川口屋(江藤漢斉)と結託して、茶の商いを一手に握り、私腹を肥やそうと企んでいた。そのためには儀兵衛の協力が不可欠だが、儀兵衛は首を縦に振らず、神田は腹立たしく思っていた。そこへおしのと勘六が帰ってきたという知らせを聞きつけ、川口屋は甘い言葉で勘六を誘き出し、おしのを襲う。そして勘六は致命傷を負ってしまい、家宝の棗を落としてしまう。
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実は、勘六はすでに与之助との縁談が決まっていたおしのを自分のものにしたいがために、家宝の棗を盗み出し、「棗がなくなったことが世間に知られれば、店も儀兵衛もただではすまされないだろう」とおしのを脅したのだった。おしのは父を思い、そしてそれほどまでに強く自分を思ってくれる勘六と駆け落ち覚悟で一緒になることを決めたのだった。そして勘六はその事実を皆に告白して、息を引き取った。
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一方、勘六の落とした棗を手にした神田は儀兵衛をおとしめるため、奉行所に将軍より献上された棗を持ってくるよう申し付けた。窮地に陥った儀兵衛に、ご老公は悪事を暴く好機であると言う。そして弥七(内藤剛志)によって棗を取りもどし、神田の企ては失敗に終わったのだった。
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