水戸老公(里見浩太朗)一行は修善寺へ。一行は能面作りの名人・六兵衛(津嘉山正種)とその息子・圭吉(田中優樹)と出会う。六兵衛は能面は役者が使ってこそ真価を発揮すると考えており、飾り物の面(おもて)は一切作らない。
圭吉はそんな頑固な父親のせいで母親が早くに亡くなったと思い、父を恨んでいた。圭吉の幼なじみの芸者・照葉(加藤忍)は反目する父子を心配している。お娟(由美かおる)と志保(小沢真珠)も修善寺の温泉に浸かりながら、父子を仲直りさせるいい方法はないものかと思案する。
岩槻藩の役人・大室朔兵衛(有川博)は老中の柳沢吉保に取り入るため、六兵衛の面を献上したいと考えていた。大室は代官所の輿水彪五郎(井上高志)を介し、面作りを六兵衛に依頼するが、すぐさま六兵衛はこれを断った。すると輿水は圭吉に六兵衛の贋作を作るようそそのかし、圭吉をだまして捕らえたのだった。そして六兵衛に、圭吉の命が惜しければ飾りの面を作るようにと迫ったのだった。
老公は圭吉を助けるための案を六兵衛とふたりで話した。六兵衛はその案にのり、面を打つことを承諾した。その結果、圭吉は無事戻ってきたのだが、圭吉は六兵衛に感謝することなく母を殺したのは六兵衛であると罵声を浴びせた。反抗する圭吉に、照葉は圭吉の父母から聞いた互いを思う気持ち、息子への想いを聞かせたのだった。
そして老公は六兵衛が作った能面を自ら付け、大室と輿水の面前で能を舞って見せ、二人の悪巧みを暴いたのだった。