

一触即発、御家騒動!(高松)2月7日(月)放送
水戸老公(里見浩太朗)一行は老公の息子・松平頼常(野村宏伸)が治める高松へ。城では頼常が病がちであることを理由に、筆頭家老の大久保高次(川野太郎)が藩政を取り仕切っていた。次席家老の彦坂図書(中山仁)は頼常に城にこもらず外へ出るよう苦言を呈するが、頼常はうんざりと聞き流すだけ。その頃、江戸城では、頼常の参勤辞退を申し出る書状が届き、二人の老中・大久保加賀守(近藤正臣)と土屋相模守(小野寺昭)が高松藩の扱いをめぐって対立していた。
老公一行は、お遍路に成り済まして城下に入る。高松藩では、正室と側室の対立が深まり、不穏な空気が広がっていた。高次は側室・小牧の方(山田麻衣子)の息子である松平頼良(千葉一磨)を跡継ぎにして、操ろうと企んでいた。彦坂は、独断で江戸に書状を送った高次の行動を軽卒だと咎める。頼常が参勤を辞退すれば、将軍家への忠勤を怠ったと受け取られてしまうからだ。しかし、高次は姻戚関係にある江戸老中・大久保加賀守の力を後ろ盾に、頼常に隠居するよう進言する。血気にはやる若侍・室伸二郎(芦田昌太郎)、塚田小弥太(中村圭太)たちは、高次が性急に世継ぎを決め、意のままに政を動かそうとしていることに反発し、高次を討とうと盛り上がる。しかし、それを彦坂が抑えるのだった。
老公は弥七(内藤剛志)から高松藩が分裂している内情を聞く。さらに楓(雛形あきこ)の調べで、高次が塩の専売に目を付けているということがわかった。高次の息のかかった勘定奉行の榊源太夫(小沢和義)は、塩を藩の専売制にし、菱丸屋藤兵衛(久保晶)に塩の商いを一手に任せると決める。塩問屋の翁屋与市兵衛(橋爪遼)たちは納得がいかない。
与市兵衛がごろつきに襲われていたところを、助三郎(東幹久)と格之進(的場浩司)が助ける。老公たちは、高次と藤兵衛は結託しており、与市兵衛が襲われたのは塩の専売に難色を示したことによる嫌がらせであると推察する。その後、藩の専売に反対する塩問屋たちは、次々に酒や油を塩にかけられ、被害に遭う。
高次の暴政が塩問屋にまで及んでいることを知った若手藩士たちは、決起に向けて話し合いを進めていた。だが、それを察知した高次は、彼らと関わっていた彦坂を反逆の罪で捕らえる。我慢の限界に達した若手藩士たちはついに立ち上がり、高次の駕篭を襲おうとするが、寸でのところで助三郎と格之進が止めたのだった。老公は小弥太たちに剣に頼ってはいけないとたしなめる。
弥七は与市兵衛の蔵に火を付けようとした者を捕らえる。老公は悪事の証拠を掴むために一計をめぐらし、藤兵衛の店の前に下手人たちをさらし者にする。何者かが自分の企てに気づいたのではないかと心配になった藤兵衛は、高次と榊を料亭に呼び出し、相談する。楓と八兵衛(林家三平)は、芸者と若旦那に扮してひと芝居打ち、高次らが密談する座敷へと上がり込む。老公は高次らの悪事を暴いたのだった。
老公は高松城へ登城し、頼常に怠慢を厳しく叱り、高次の処分を求めた。藩の行く末を左右する決断のため苦渋する頼常に、老公はこういう時こそ信頼できる家臣の意見を聞くべきだと助言する。その言葉に頼常は彦坂に意見を求め、彦坂のその見識ある言葉に老公は感心したのだった。帰り際、小牧の方が老公を呼び止めた。頼良は自ら身を引き、正室の子である頼豊に誠心誠意仕えると誓う。老公は頼良の立派な態度に小牧の方を不問にし、頼良も自分のかわいい孫の一人であると笑顔を見せる。高松藩の騒動を無事に収めて安堵した老公一行は、江戸に戻る前に金比羅へと旅立つのだった。
