第1話
じゃじゃ馬姫の逃避行(金沢)11月22日(月)放送
水戸老公(里見浩太朗)一行は、老公の姉が嫁いでいる加賀藩の金沢に着いた。一行は加賀友禅の美しさに見とれたのだった。金沢城では、窮屈な毎日に退屈した篠姫(藤本美貴)が、町娘に扮して城を抜け出してしまう!初めての城下に見るものすべてが新鮮な篠姫は、あっちこっちの店を覗き、団子屋では金を払わずに立ち去ろうとして、店主ともめていた。そこへ遭遇した老公一行は、勝手気儘な篠姫の振る舞いを見て「親の顔が見てみたい」と呆れる。助三郎(東幹久)は、篠姫の言葉遣いに武家の娘ではないかと疑いを持ち、ふたたび町の人々と騒動をおこす篠姫を見かけて、放っておくことができず行動を共にする。
その頃、城では篠姫がいなくなったことが知れわたり、大騒ぎになっていた。病気で臥せっている城代家老に代わって城を取り仕切っている次席家老・海老原甚内(清水綋治)は配下の者たちに町中を探すよう命じる。
一方、助三郎を探していた格之進(的場浩司)は、役人から鑑札を取り上げられ困り果てている友禅問屋の主人・若菜屋重兵衛(三田村賢二)と職人の嘉助(筒井巧)に出会う。重兵衛によると、城からの注文を受けて納めた友禅はどれも篠姫が気に入らなかったために突き返され、その怒りを鎮めるには金を納めるしかないという。重兵衛は職人の意地で金を納めずに新たな友禅を持って行ったが、再び突き返されてしまい、物産奉行・葛西与左衛門(新納敏正)から遂に鑑札を取り上げられてしまったとのことであった。格之進からその報告を受けた老公は、楓に真相を探るよう命じる。
一方、助三郎は「お篠」と名乗る傍若無人なこの娘が、加賀百万石の姫君だと気付く。事情がわかるまで守り抜こうと心に決めた助三郎は、家臣たちに見つかり連れ戻されそうになった篠姫と、手に手を取って町中を逃げ回る。頼りがいのある助三郎とのハラハラドキドキする逃避行に、篠姫の心は昂揚する。だが、助三郎は逃げてばかりでは解決にならないと説得するのだった。篠姫は、城では皆が海老原の顔色ばかりをうかがい、世話係の滝岡(田根楽子)も厳しく姫としての振る舞いを押しつけるだけで、本当に自分のことを理解してくれる者は誰もいないのだと打ち明ける。二人をかくまってくれるという少年について行くと、そこは加賀友禅の職人・嘉助の仕事場であった。篠姫は、その素晴らしい友禅染めに感嘆する。だが、嘉助の口から漏れたのは、姫様のわがままのせいで城から無理難題を押し付けられ、友禅職人をはじめ多数の町人が難儀しているという衝撃的な事実だった。篠姫はたった一度の身勝手な振る舞いが悪用され、城下の人々から憎まれていることに落ち込んでしまう。そして、助三郎に一緒に遠くへ行きたいと言う。困った助三郎は、一度、老公に会うように話すのだった。
楓の調べで、海老原と葛西が結託して悪事をはたらいていることがわかった。老公は自分の大姪に当たる篠姫を見て、世間を知らないだけで素直で心優しい娘だとわかり安心する。そして、旅に出る前に、姫の名を騙って私腹を肥やしている黒幕の正体を明かし、苦しんでいる町人たちを救うべきだと焚き付ける。正義感に火の付いた篠姫は、海老原たちを問い質しに城へ向かう。しかし、海老原は篠姫が町人に扮しているのを利用し、「偽物」として捕らえようとする。だが、滝岡はこの町娘こそ本物の篠姫だと、身を挺して庇う。海老原が滝岡に斬りかかろうとしたところへ、城代家老の静市孫兵衛(滝田裕介)と老公が現れ、事件の真実を明らかにする。篠姫は、滝岡の姿を見て、自分もまた周囲の気持ちを理解していなかったと気付き、加賀百万石の姫として相応しくなろうと心に決める。そして、楽しかった束の間の自由な時間と恋心を胸にしまい、助三郎に別れを告げたのだった。