タイトル
水戸老公(里見浩太朗)一行は平泉へ。道に迷った一行は、途中で出会ったお花(高橋あゆみ)という娘に案内してもらい無事に中尊寺金色堂へと辿りつくことができた。その後、一行と別れたお花は、深手を負って意識が朦朧としている男(猪狩賢二)を見つける。心優しいお花は、幼なじみのお美代(中丸シオン)とともに、男をお美代の家の蔵にかくまい、傷の手当てをした。お花は男に亡き兄のおもかげを重ねて親しみを感じ、献身的に看護したのだった。
ある日、お花と入れ違いにお美代が男に食事を差し入れた時、男の意識が戻った。男は目の前のお美代だけが自分を看病してくれていたのだと思い込む。男は仙台城下の漆器問屋・青葉屋の手代・誠兵衛と名乗り、差し入れられたおにぎりを見て、百姓たちは粟や稗ばかりを食べているのか…と涙を堪え「すまん…」と手をつくのだった。そんな男の姿に、はじめはとまどっていたお美代も、次第に心を許していくのだった。
このところ、平泉では過酷な年貢の取り立てに村の人々が苦しんでいた。お美代の父で庄屋の宇兵衛(真実一路)は人々の窮状を訴えるが、代官の岡部武太夫(石山輝夫)は耳を貸そうともしない。岡部は、物産問屋・大前屋(常泉忠通)と結託して米を横流しし、私服を肥やしていたのだ。そして、お花とお美代が助けた男の正体は、伊達藩の侍・望月誠四郎で、岡部の悪事の証拠を発見し、訴え出ようと急ぐ途中、岡部の手下に斬られたのだった。
お花とお美代は看病をしていくうちに、誠四郎にほのかな恋心を抱いていった。ある日お花は、お美代と誠四郎が親しそうに話しているのを見る。誠四郎はお花に、お美代は自分の命の恩人であると言い、お美代はそれを否定しなかった。お花は、そんなお美代が許せない。お花はお美代に絶交を言い渡したのだった。
その頃、ついに貧しい生活に堪えかねた百姓たちは、庄屋の屋敷にある種籾を奪おうとするが、それを知った老公が庄屋へ向かい百姓たちを説得した。そこへ、弥七(内藤剛志)から、お花が誠四郎をかくまった疑いで代官所の役人に連れ去られたという知らせを受ける。代官所では、岡部がお花から誠四郎の居場所を聞きだそうと、お花の前でお美代に刃を向ける。その状況に、お花は誠四郎の居場所を教えたのだった。
代官所へ向かった老公は、二人を助け出すために一芝居うち、自らも牢へ入るのだった。老公は、自分の気持ちにとまどうお花に、その正体が“やきもち”であることを教え、お花ははじめて自分の恋心に気付いたのだった。そして、二人に事の真相を語り、「困ったときほど精一杯力を合わせてぶつかるのが本当の友だ」と、共に誠四郎を助けに向かった。まさに岡部が誠四郎を斬ろうとしているところへ一行が現れ、誠四郎が掴んだ証拠によって、岡部たちの悪事は明るみになったのであった。お花とお美代も自分の気持ちを認めて素直になり、老公の前で二人手を取り合った。そして、誠四郎は老公の書状をもって仙台へ旅立ち、老公一行も晴れやかに平泉の地を後にしたのだった。
ストーリー
ゲスト
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