水戸老公（里見浩太朗）一行は近江八幡に着いた。一行は、仕事を斡旋する口入屋・音羽屋の女主人である嘉穂（川中美幸）と知り合う。嘉穂は、父親と幼い頃に死別しており、老公にしばらく父親になってほしいと甘える。老公もそれを快く受け入れ、二人は本当の父娘のように打ち解けて楽しい時を過ごしたのだった。

時を同じくして、近江八幡では、紫頭巾という覆面の剣士が出没し、困っている人を助け、悪人を退治してくれると人々の噂になっていた。噂どおり、高利貸しに売り飛ばされようとしていた娘たちを紫頭巾が救い、さらに評判が上がる。

そんな矢先、大きな商家が紫頭巾に襲われ、大金が盗まれるという事件が起きた。この事件は、紫頭巾の活躍を苦々しく思っていた代官の青山伊蔵（成瀬正孝）が偽の紫頭巾を使って起こしたものだった。青山は海産物問屋の松尾屋伝兵衛（和崎俊哉）と結託して悪事をはたらき、私腹を肥やしていたのだ。

ある夜、偽の紫頭巾を退治しようと紫頭巾が現れたのだが、偽の紫頭巾の返り討ちにあってしまった。風車の弥七（内藤剛志）と疾風のお娟（由美かおる）の助けによって紫頭巾は一命を取り留めたのだが、紫頭巾の正体はなんと音羽屋の番頭・喜助（新田純一）だった。

一行は、お娟から紫頭巾の正体を知らされるが、嘉穂は紫頭巾の正体は喜助ではないと言い切る。老公は正義感が強く剣術の腕も立つ嘉穂が紫頭巾だと見抜いていた。危険を知りながら代官所に乗り込もうとする嘉穂に、老公は思いとどまるよう諭したが、嘉穂は紫頭巾のけじめをつけると覚悟を決めたのだった。老公は嘉穂を助けるべく、一緒に代官所へ乗り込むのであった。