「母恋し歌う馬子唄」(日田)
脚本:いずみ玲 監督:矢田清巳
天領日田の近くまでやってきた老公一行は、馬子の少年・市太と出会う。旅の資金も底をつきかけている中、稼ぎが少ないと親方に怒られるという市太を助けるつもりで馬に乗る老公。町へ入ると早速、格之進は大店の掛屋『常盤屋』で金を工面しようとする。ところが市太はもっといい店があると一行を『初瀬屋』へ連れて来た。『初瀬屋』の内儀・おたみと市太は顔馴染みのようだ。 そこで偶然、新しい橋の普請で不正入札が行われていると、主の初瀬屋冶兵衛とおたみが話しているのを耳にする一行。弥七と詩乃の調べによると、不正を行っているのは常盤屋と代官の橘兵衛之介だと言う。老公は看過できないと憤る。 その晩、一行は市太とその祖父・伊助の暮らす家に泊まることに。老公はそこで見つけた手製の守り袋が気にかかる。それは『初瀬屋』に飾られていた男の子の人形の首にかけられた守り袋と同じものだったのだ。 翌日、おたみを訪ねた老公らは、初瀬屋夫婦の息子・宗一が十年前に行方不明になったことを知る。市太が宗一に違いないと確信した老公は、伊助から真実を聞き出す。 一方その頃、冶兵衛は常盤屋の不正を橘に直訴しようとして、逆に捕えられていた。後を追ってきたおたみと市太、さらには老公たちも合流し、ついに橘と常盤屋の悪事が暴かれる。そして、伊助の口から市太はおたみの本当の子であると語られるのだった。
『初瀬屋』お内儀/おたみ
宮本真紀
馬子/市太
大西利空
『初瀬屋』主/初瀬屋冶兵衛
河合我聞
花王おさむ 加納竜 竹本和正 他