「老公、なんばしよっと?」(福岡)
脚本:尾西兼一 監督:矢田清巳
熊本から日田街道を進み福岡へ足を踏み入れた老公一行は、本来の目的である『農業全書』を書き上げた宮崎安貞に会うために貝原益軒の家を目指していた。 その道中、金貸しの杢兵衛から借金の催促を受ける安貞に偶然出くわすが、一行は何より金貸しの杢兵衛の顔に驚きが隠せない。と言うのも、この杢兵衛という男、老公と瓜ふたつなのだ。その上、安貞と話をしようとすると「杢兵衛とそっくりなヤツは好かん!」と足早にその場を去ってしまった。 改めて安貞を訪ねようと地図を見ながら進む一行だったが、道に迷ってしまう。皆が手分けして安貞の家を探す間、老公はひとり待つことに。するとそこへ杢兵衛がやってくる。杢兵衛は老公の前を通り過ぎようとして、自分とそっくりの老公に気付き動揺する。そんな杢兵衛に老公は安貞の借金の話を切り出した。その様子を、物陰からうかがっている安貞を慕う甲太たち。そして、老公が甲太たちに背を向けていたことから、甲太たちは杢兵衛と間違えて老公を連れ去ってしまう。 老公に安貞の証文を出すように迫る甲太たち。そこへ安貞が飛び込んできた。皆を説得し老公に詫びていると、今度はどこからともなく山童の権六が現れ老公を連れ出してしまう。権六は杢兵衛の家までくると、ため込んだ金と安貞の証文を出すように言った。権六は村役人の大泉善兵衛と組んで『農業全書』を狙っていたのだった。
『農業全書』著者/宮崎安貞
泉谷しげる
儒学者/貝原益軒
大出俊
村役人/大泉善兵衛
浜田晃
佐藤蛾次郎 本宮泰風 井上拓哉 海老瀬はな 吉本孝志 亜呂奈 國本鍾建 他