放送日:1月26日 (月)

水戸老公(里見浩太朗)は飫肥(おび)の城下へ入った。助三郎と格之進は為替を受け取るために問屋場へ行くと、若い娘が若侍に追われていた。二人は若侍を止め、その間に娘は逃げたが、追っ手が来ないことが分かると崩れ折れてしまった。助三郎たちと別行動をしていた老公たちは、ちょうどその場に出くわし、娘を送り届ける。娘は母と寺に身を寄せており、なにやら仔細を抱えているようで気になった老公であったが、その場を後にした。宿へと向かう途中、奇妙な女の一団が通る。「木花踊り」の一団であった。老公は、その中に見覚えのある顔を見つけた。その昔、江戸深川で芸者をしていた菊弥である。老公は、菊弥が飫肥の前藩主の側室となってこの地で暮らしていること、踊りの名手だったことを懐かしそうに話した。菊弥は、貴和の方(きわのかた・若村麻由美)と呼ばれ人々に親しまれていたのであった。

時を同じくして、飫肥藩では不可解な事件が起きていた。勘定組頭・吉田清左衛門(辻萬長)が公金を横領した罪を悔いて切腹したというのだが、どうにも不審な点が多い。助三郎と格之進が止めた若侍は、山崎新伍(斎藤工)といい、清左衛門は不正を働くような人物ではないと信じ、事の真相を探っていたのである。

新伍は清左衛門が亡くなった日のことを聞くために、清左衛門の妻・志津(長谷川真弓)と娘・千鶴を訪ねる。志津は実は清左衛門は何者かに殺されたのだと不安に震えながら打ち明けた。清左衛門は城代家老・塚本仁左衛門(穂積隆信)と勘定奉行・佐竹喜八郎(下塚誠)の不正に気付き、それを告発しようとしていたのである。

老公は、貴和の方に悪事を暴くための力添えを頼む。そこへ、貴和の方と清左衛門のかつての関係に目をつけた塚本は、目付たちに貴和の方の家に不正の証拠がないかを捜索するよう命じる。しかし、貴和の方はこれを毅然と追い返したのであった。

藩主の伊東祐実が平癒祈願に生目神社を参拝したのを機に、貴和の方は清左衛門が調べ上げた不正を書き記した建白書を祐実に渡した。そして老公は、事の真相を明らかにし悪を裁くよう祐実に託すのであった。

 

 

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