放送日:2月9日 (月)

水戸老公(里見浩太朗)一行は臼杵(うすき)に着いた。一行は廻船問屋の主人・後屋誠太郎(溝呂木賢)と、たえ(浜丘麻矢)夫婦と出会った。誠太郎は非常なる倹約家であったが、それには深い理由があった。

誠太郎は幼い頃、実の母親に養子に出され、以来母とは生き別れたままだ。誠太郎は養家での厳しい暮らしに耐えられず、金を盗んで養家を飛び出した。しかし、行き倒れになり、豊後屋の先代・藤兵衛(はりた照久)に救われたのだった。その後、誠太郎は豊後屋で懸命に働き、藤兵衛の娘・たえと所帯を持ち店を継いだ。誠太郎は先代に深い恩を感じており、先代の残した店の財産を無駄遣いすることに厳しかったのだった。それと同時に、誠太郎は実の母への想いを募らせていた。

その母は意外にも誠太郎の近くで暮らしていた。臼杵辺りで魚を売り歩くふみ(芦川よしみ)である。ふみは幼い誠太郎を手放した自分を責め、母と名乗ることもなく陰ながら誠太郎の幸せを願っていた。だが運命のいたずらか、ふみと誠太郎が町でばったり顔を合わせてしまう。老公は、その場に居合わせた格之進(合田雅吏)の話から、二人が母子だと確信した。老公は誠太郎に親子の深いえにしを説き聞かせた。

その頃、豊後屋の繁栄をねたむ物産問屋の黒川屋(津村鷹志)は次席家老の大槻監物(近藤洋介)と結託して、豊後屋を取り潰そうと企んでいた。黒川は誠太郎とふみが実の親子であることに目を付け、誠太郎を思うふみの母心を利用し、二人をわなにはめる。ふみに誠太郎を助けるためと舟を出させ、豊後屋の舟と接触し沈められたことに仕立てたのだった。

ふみは弥七(内藤剛志)によって助けられ、ふみの無事を知った誠太郎は心から安堵した。老公は、私欲のために親子が思い合う心を利用した黒川らを懲らしめ、悪事を暴いた。そして、誠太郎とふみは、長い年月を経てふたたび一緒に暮らすことになったのだった。

 

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